東京都市大学坂倉杏介研究室×人と地域をつなぐ事業「信夫町ガーデンフェスティバル」を実施しました。

東京都市大学坂倉杏介研究室×人と地域をつなぐ事業「信夫町ガーデンフェスティバル」を実施しました。

東京都市大学坂倉杏介研究室の夏合宿と合同事業を始めて3年目となる今年は、「東京都市大学坂倉杏介研究室」、「人と地域をつなぐ事業」、「コワーキングスペース スタジオ八百萬」、「信夫町下町内会」、「米沢市地域おこし協力隊の手塚貴之さん」の合同事業として、8月31日(土)に「信夫町ガーデンフェスティバル」を実施しました。

 

◇「信夫町ガーデンフェスティバル」の実施に向けて

7月末からオンラインミーティングを重ね、人と地域をつなぐ事業の第1期生であり、スタジオ八百萬を営む山田茂義さんから信夫町下青年部の方に働きかけをしていただきながら、8月25日には、坂倉研の学生にも来ていただき、チラシと学生からの手紙を持って、信夫町のご家庭を訪問していただくなど、事前の準備を進めてきました。

 

8月30日から、坂倉杏介准教授、東京都世田谷尾山台商店街で坂倉研と「おやまちプロジェクト」に取り組む高野雄太さん、坂倉研の学生27名は置賜を訪れ、前日から様々な準備を行いました。

午前中は、会場となる「コワーキングスペース スタジオ八百萬」に集まり、はじめに本組合の総務課長からあいさつがあり、担当職員から置賜の概要とこれまでの出来事について、坂倉先生とスタジオ八百萬の山田茂義さんから、「信夫町ガーデンフェスティバル」を開催することになった経緯について、話をしていただきました。

山田さんが、信夫町でスタジオ八百萬を営み、暮らしていくなかで、近くに暮らす人と顔を合わせる機会が少なくなっていることを感じ、何かをきっかけに、顔が見える関係にしたいという「想い」から、50世帯100人の信夫町に暮らす人たちの関わりを結び直すため、空き地を人々が生き生きといられる居場所として使い直し、多世代の住民の自然なつながりが生まれる地域にしていく試みとして「信夫町ガーデンフェスティバル」を実施することについて、全員で内容を共有しました。

 

ランチは「広場カフェ はるにれ」、食べる前に学生同士でチェックインを行い、少しずつ気持ちを合わせていきます。

 

午後からは、ラジオ班、動画班、会場班、ポスティング班、スライドショー班など、班ごとに準備を進めます。
ラジオ班が機材のチェックや番組プログラムを作成し、あわせて、当日のミニFMの周波数を決めます。ポスティング班が周波数を書いた紙をイベント告知とあわせて、信夫町の各家庭をまわりました。

 

動画班は二人一組でインタビューを行い、最後にドキュメンタリー調の動画を作成する予定です。

 

会場班は人工芝、テント、テーブル、イスなどを並べて、ガーデンフェスティバル会場の仮設営を行いました。

 

前日の準備が終了したあとは、信夫町青年部の方にもお越しいただき、交流会を開催しました。
料理は信夫町にある「ナカヤママート」さんと「moto808」さんから、美味しいオードブル、「富士屋商店」さんから、美味しいおにぎりをケータリングしました。
交流会では、坂倉研の学生を代表して菊地直人さんから「コミュニティマネジメント研究室」の取り組みについての話があり、学生たちが何を学んでいるのか、理解を深めることができました。
また、日々の暮らしをもう一歩面白くするため、東京都世田谷区の尾山台商店街で、まちの人、坂倉先生、坂倉研の学生たちと一緒に「おやまちプロジェクト」に取り組む高野雄太さんの講話がありました。高野さんの話から、「信夫町ガーデンフェスティバル」のイメージが湧いてきます。
坂倉先生と高野さんには、今回のイベントで使用する物のほとんどを東京から車で運んでいただきました。

 

交流会が終わり、学生たちは宿泊する「小町の湯 やまぼうし」さんに移動して、夜遅くまで、当日の準備は続きます。

 

◇「信夫町ガーデンフェスティバル」当日の準備

ずっと心配していた天気も、朝から快晴となり、夏に戻ったかのような陽気になりました。
まずは「スタジオ八百萬」に集まり、全体ミーティングのあと、それぞれの担当にわかれて準備作業を開始しました。
外の会場では、テント設営に信夫町下の町内会長や青年部の方からもご協力いただき、あっという間に空き地が豊かな「信夫町ガーデン」になっていきます。置賜八食祭で使用していたガーランドも久しぶりに使われて、会場に彩りを加えてくれました。

 

ラジオ班も外のラジオブース設営にあわせて、スタジオ八百萬の中ではプログラム作成が着々と進んでいます。

 

 

飲食班は、米沢市地域おこし協力隊の手塚貴之さん、人と地域をつなぐ事業の修了生が中心となり、学生も協力して、焼きそば、おにぎりを各100食作っていきます。

 

レモネード班では坂倉研の学生とも初対面の2年生が参加してくれていて、その学生からカップにメッセージや絵を描いたら喜んでもらえると思うという話から、みんなで一つひとつのカップにメッセージや絵を描いていきます。信夫町にある「シャトレ―」さんのチョコバナナが届き、レモネードコーナーも準備完了です。

 

 

11時30分には、学生ブースの準備が終わり、前神さんの「うなぎのぼり」で、みんなの気持ちを盛り上げ、本番に備えます!

 

12時前には「けん玉レジェンド」のみなさん、人と地域をつなぐ事業の修了生ブースの準備も整い、フェスティバルの開始を待つばかりとなりました。

 

◇「信夫町ガーデンフェスティバル」本番!

どのくらいの方に来てもらえるだろうという不安がありましたが、信夫町で暮らすご夫婦が、始まってすぐに会場に来ていただいたことで不安もなくなり、学生の元気なアナウンスでフェスティバルが始まりました。

 

信夫町ラジオもON AIRしました。最初のゲストは信夫町にある「シャトレ―」の店長さんです。会場にいた人と地域をつなぐ事業の修了生の方もラジオブースに来て、話をしていると、子供の頃にシャトレ―のケーキを食べていたという話になり、信夫町の過去の思い出から、現在のラジオブースまで物語がつながっていきます。

 

人と地域をつなぐ事業の受講者ブースは、血圧測定やハンドマッサージ、マヤ歴セッションといった内容で、イベント開始から、信夫町に暮らす方がお越しになり、最後までたくさんの方がブースを訪れていました。

 

スタジオ八百萬の中では、信夫町に暮らす方と学生が仲良く話をしていました。
レモネードのカップを見て、「かわいいから、家に持って帰る。」と言ってくれた方もいたようです。

 

けん玉コーナーでは、長井市から「けん玉レジェンド」のみなさんに来ていただいたおかげで、子供たちだけでなく、けん玉が大好きな学生もいっしょになって楽しんでいました。

 

ゲームコーナーでは、小学生や中学生、地域の方と学生が、オセロや将棋で楽しそうに遊んでいます。

 

信夫町ラジオには、米沢・東南置賜のコミュニティFMラジオ局「エフエムおきたまGO!」のラジオDJの方にもお越しいただき、会場ではインタビューもしていただきました。

 

信夫町ラジオの最後のプログラムは、信夫町でスタジオ八百萬を営む山田さんと、東京都世田谷区尾山台商店街でタカノ洋品を営み、「おやまちプロジェクト」に取り組む高野さんの対談でした。
これから、置賜と尾山台がつながり、どんな面白いことが起きるのか、とても楽しみな内容でした。
対談中に学生がとてもステキなグラフィックレコーディングで内容を記録してくれました。

 

信夫町ガーデンフェスティバルは、あっという間に終了の時間を迎えました。
最後は、みんなで芝の上に車座になり、信夫町下の町内会長、坂倉先生、スタジオ八百萬の山田さん、学生代表の話を聴き、「花笠締め」でイベントが終了しました。

 

これまで出会わなかった人と人が出会い、顔をあわせて話をしている光景が、会場のいろんな場所で見ることができた「信夫町ガーデンフェスティバル」は、信夫町で暮らす人をつなぎなおすだけでなく、会場にお越しいただいた人たちをつなぐ取り組みになったのではないかと思っています。これから、このイベントをきっかけに、信夫町でどんなことが起きていくのか、とても楽しみです。

 

ここから坂倉研の学生たちはバスに乗り、毎年恒例となっている飯豊町に向かいます。
今年は「白川荘」にみんなで泊まり、米沢牛のBBQと温泉で、イベントの準備から本番までの疲れを癒してもらいました。

 

◇振り返りの時間

翌日の最終日はスタジオ八百萬に戻り、クロージングの時間です。
町内会長にも、お越しいただき、みんなで「信夫町ガーデンフェスティバル」について振り返ります。
坂倉先生から振り返りのワークについて話しがあり、「チャレンジしたこと、感謝したこと、イベントの意味、感動したこと」を、一人ひとりが振り返り、5人一組になり、スタジオ八百萬の中だけでなく、元の空き地に戻った信夫町ガーデンも使って、気持ちを共有しました。

 

最後にスタジオ八百萬に戻り、全員ひとりずつ感想を話し、共有しました。
学生たちの想いやみんなの心に起こったこと、高野さんが一番楽しかったと話をしてくれたこと、町内会長が坂倉研の学生は信夫町をあげて歓迎すると言っていただいこと、最後に山田さんが嬉しそうに本当にやって良かったと話してくれたことを聴き、「信夫町ガーデンフェスティバル」は終了しました。

 

学生たちは、このあと、短い時間でしたが、米沢市内を観光し東京への帰路につきました。

信夫町に暮らす方や、イベントに参加されたみなさんが笑顔で楽しめたのは、準備から片づけまで笑顔で楽しんでくれた坂倉研の学生たちのおかげです。信夫町や置賜に心を寄せてくれて、本当におしょうしな!